2020年2月、塩見組の社長に就任しました。東京出身で、元々北九州市にも土木にも全く縁のなかった私が、なぜ今ここにいるのか。それは、杭打ち業界について勉強していくうちに、面白みと将来の成長性を強く感じたからです。北九州市についても、実際にこちらに来て、様々な「人」や「企業」を訪問していく中で、北九州市は自分の性格に合う土地柄であり、挑戦するには絶好の環境だと確信するようになりました。
塩見組は、創業から今日まで60年以上という歴史と実績があり、そこで培った技術力の高さには定評があります。特に海上土木に強みを持っています。技術力と強みを継承しながら、新たなフィールドを広げていきたいと考えています。
その一つが、「杭抜き」です。既存の杭の老朽化や再開発などによって、杭抜きの需要はますます高まってくるものと予想されます。将来を見据え、まだ数少ない杭抜きのスペシャリストになることを目指して、九州でも数台しかない新型の杭抜き機材を導入します。今後は、塩見組の強みである海上施工に杭抜きという新しいエッセンスを加えて、事業を拡大していく次第です。
また、「放電破砕」の分野にも本格的に参入していこうと考えております。近年、自然災害が頻発しておりますが、放電破砕はこうした災害現場で活躍する工法です。しかも、環境にも優しい工法で、何よりも「安全」を大切にする塩見組のコアの部分にマッチします。「未知な領域に乗り込み、周りの人々や環境に好影響をもたらす」。
これが私のモットーです。地銀であるYMFGと連携した日本独自のサーチファンドにより塩見組を事業継承したことはメディアから注目を浴び、現在の日本にとって大きな課題である地方創生と事業継承解決に一石を投じることが出来ました。そしてこのスキームを通じて私のモットーを具現化出来たことに大変喜びを感じております。
2020年末、塩見組は本社移転を終え、新天地で心機一転、本格的に稼働開始しました。創業以来、塩見組が築いてきた財産を大切に守りつつも、時代のニーズに対応しながら新たな挑戦を続けて参りますので、これからの塩見組にどうぞご期待ください。